と、いうのも、日本中のいたるところに弘法大師伝説が残っているのと同じに、この地にも、昔から『主婦の親切に報いて下さった弘法大師さまのみわざ』と言い伝えられる、不思議な事象が残っているから。

ひいおばあちゃん自身も、健康になったことを喜んで、その日から信心に励みました。

ただ、弘法大師さまというのは、真言宗の開祖な訳で。普通なら真言宗に傾倒しそうなものなのに、彼女が邁進したのは、浄土真宗。

めちゃめちゃ天然ボケな気がするのですが、その後もひいおばあちゃんは健康を保ったまま、長生きをして世を去りました。

お坊さまの丸薬は、もしかしたら夢だったのかもだし。現実だとしても、プラシーボ効果だった可能性もアリですが。
効果は抜群で、家族全員が食あたりで倒れた時でさえ、ひいおばあちゃんだけはピンピンしてて、みんなの看病をしてくれました。

観音さまが宿る丸薬をくれたお坊さまは、今でも 色々な人達の心を旅しておいでなのでしょうか。

親切には幸せをもたらし、あざとい仕打ちには不幸でお報いになるという弘法大師さまの伝説…

(もしかしたら、今も、全国を旅しておいでなのかも…)

って、思ってしまってるあたしがいます。