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ノーム注意報|みんなのブログ
ノーム注意報
13/11/06 16:52
本は昔から好きだったあたし。
幼い頃にも、やっぱり色んな本を読んでいました。天井裏や床下で借り暮らしをする小人達や、山奥や森の中で鉱物を掘る小鬼達の話も、大好きで、よく読んでいました。
そういった存在が架空ということは、きちんと判っていたのですが。
TVの天気予報で流れる『濃霧注意報』というフレーズについては、なぜだか『ノーム注意報』だと思い込んでいたんですよね。
だから、そんな日に外に出る時には、めちゃめちゃ慎重になっていました。
濃くて深い霧に包まれた野道を、懐中電灯を持って歩くのですが。
道の端には、ぜったい踏み込みません。自分の存在をちゃんと知らせる為に、陽気な唄を歌いながら進みます。
大人達かすれば、対向してくる車や野性動物に自分の存在を早くから知らせたり、道を踏み外して落っこちない為の知恵に見えてたんでしょうけど。
あたし自身は、こんな日にうっかり人里に降りてくるノームとのトラブルを避ける為の欠かせない術なのだと思っていました。
(人間嫌いで偏屈な妖精達を怒らせて、厄介な事になりませんように)
(濃い霧にまぎれて見え難くなってるノームを、うっかり踏みつけたりしませんように)
…って。
まあ、おかげで、ノーム以上に厄介なイノシシや野犬にも遭遇しなくて済んでたのですが。
あの頃は、本当に子供でした。
そして、今でもミルクのような霧に沈んだ景色を見ると、
(もしかしてノームが…?)
って、横目でこっそり探してしまう癖が抜けないあたしです。
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