死を忌むのは、イキモノの本能であって。

(死にたくない)

とか、

(生きていたい)

って希いは、至極、当然なんだと思います。

だけど、治癒が見込めぬ怪我や病に侵されたら？
どんなにあがいても、近い未来に死が確定されてると判明したら？
そして、過酷な苦痛を強いられ続けるだけの状況になったら？

(それでも生きたい)
(その日までは、生き続けたい)

と思える気力を持てるかどうかは、人それぞれな気がします。

あたし自身、何度か命を落としかけた経験があり。

命を落としかけてる人の運命を左右した経験もあり。

その時々で見える景色は、同じではありませんでした。

「どこかに正解があるのか」

という問いにさえ、いまだに、結論が出せていません。

人は、結局、いつか死ぬ。
それでも、生を能動的に手放す選択は、今の日本では認められていません。

それは、本当に正しい事なのか。

苦しみながら、死に向かう為だけに生かされている人に問われて、

「最後まで生きてて。あたしの為に」

って、答えるしかなかったあたし。

個人の生とは、いったい誰のもの？

正視出来ぬまま、今日という日も、また過ぎてゆきます。